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縁遠いように思える芸術の世界ととビジネスの世界。
が、しかし。
芸術家が必ずいつかはこの課題を前に迷走する事となるであろう。
この壁すら見えていない位置にいる場合は、
芸術の世界を目指す事を辞めた方がいいかも知れない。
芸術家が芸術そのものの壁にぶつかることは当然あるが、
実は、そのような壁よりも、もっと高い壁がこれであると思う。
まず、この話をする場合は、
「プロとは何か」という分散する定義をはっきりさせた上で
進めなければならない。
この話を進めるにあたっては、
とりあえず、
「プロ=収入を得る」
と設定することにする。
それでは、
「そもそも収入とは何か?」
という話をしなければならない。
収入??
バイトの給料かな??
その発想しか浮かばなかった人は、その時点で、
辛口だが、芸術の世界には完全に向いていないので、さっさとプロ志向だなどというのはやめて就職でもする事をオススメする。
芸術家がそれで食べていく事を目指すという事は、
いわば、起業家・事業家の立場になるということであると思う。
つまり、「収入」というものへの固定されたイメージを崩さなければならない。
バイトなどの給料は、
一見、自分が汗水流して、自分が必死で手に入れた誇り高き栄光の金である
と、勘違いしがちだが、
その給料のお金を「本当に稼いだ・生み出した」のは、
店長や、本部の社長である。
「ウチの職場、交通費が出ない、冗談じゃねーよ!
あーダリー!早く仕事終われ!あーテキトーテキトー!」
じゃぁ、アナタが逆の立場に立って考えてみてください。或いは、あなたがそれを逆にやれるもんならやってみてください。
そうすれば、それがどれほど愚かなセリフかが解ることでしょう。
だからといって、別に、どっちがすごくて、どっちがすごくない、
という問題ではない。
いってみれば、どっちの立場の人間も素晴らしい、
そして、同時に、どっちの立場の人間も、何もできない弱くてちっぽけな存在である。
だからこそ、人は人の間で人間として生きていくわけで、それで社会が成り立っている。
それが世の中であり、その中で、どういうポジションに自分を置いているか、どういうポジションを目指しているかが、皆、100人いれば100人ともが違うわけで、
それがどういう立場であろうが、誰が誰の立場についてをどうこういう筋合いは誰にもないし、どうこういうような人がいれば、それは自分がバカだと自らさらしているようなものであり、
それでは世の中が全く解っていないという事になる。
芸術で「プロ」を目指すのであれば、
「本当に自分自身で収入源を見つけ、切り開く」
必要があると思うわけである。
その考え方をもった上で、芸術とビジネスについて、社会における芸術のポジションを考えていきたい。
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